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伝承されている技の体系
【天道流武術の名称】
 
名称は技の意味を十分に著したものである。
一文字の乱といえば、薙刀を真一文字に構え気分の上から品位の面からも備わり、
威・厳・体の充実した技をいう。
 
また、一本杉という名称は、
天地の恵みをいっぱい受け、空高くそびえた杉の大木で人々が仰ぎ見る一本杉。
この一本杉の心を心として技に生かすなど
名称の意味を十分に理解して技に命を与えることが大切である。
小長刀の表
初段(しょだん)
  • 一文字の乱(いちもんじのみだれ)
  • 清真の乱(せいしんのみだれ)
  • 石突小石返の乱(いしづきこいしがえしのみだれ)
  • 清志脇留(せいしわきどめ)
  • 清志岩崩(せいしいわくずし)
 
中段(ちゅうだん)
  • 真利込(まりこみ)
  • 須利込折留(すりこみおりどめ)
  • 短刀留(たんとうどめ)
  • 大車の乱(おおぐるまのみだれ)
  • 小車の乱(こぐるまのみだれ)
  • 風車小石返の乱(かざぐるまこいしかえしのみだれ)
 
下段(げだん)
  • 両胸留(りょうむなどめ)
  • 清真袖返(せいしんそでがえし)
  • 大重の乱(おおがさねのみだれ)
  • 八重違(やえちがい)
 
初段の裏(しょだんのうら)
  • 一文字(いちもんじ)
  • 清真(せいしん)
  • 石突小石返(いしづきこいしがえし)
  • 清志打返(せいしうちかえし)
  • 清志岩崩懐剣留(せいしいわくずしかいけんどめ)
  • 清志岩崩短刀留(せいしいわくずしたんとうどめ)
 
立合の作法
受(うけ)太刀:仕(し)薙刀
『受』は立合を先行し、理合を正しく行うように誘う心をもつ。
『仕』は受に従って理を現す心をもって、立合の道理を達成する。
 
道場の下座で、『受』は上座に、『仕』は下座で向かい合って座し(折敷)挨拶する。
(この挨拶は互札でなく『受』と『仕』の札である)
構え
一本杉の構
一本杉の構『一本杉の構』は直立の姿勢で立つ。
薙刀の中央を右手で握り腰に軽く添え、
丹田に力を蓄え直立の姿勢で立つ。
 
石突を右足小指の右側につき、刃は前方、
左手は体に添わせて軽く垂れる。
これは薙刀と体の不可分の自然体である。
腕巻の構
腕巻の構『腕巻の構』は一本杉より左手を右手の下にかけると同時に、
両手やや上下に通わせ切っ先は
下より一拳程の所まで正面に下ろし刃は右に構える。
 
※注…通いとは、手の内、手の中、手心ともいい、その手の内や握り、通いがなくては正しい技とは使えない。
清眞の構
清眞の構『清眞の構』は腕巻より一文字に構えを左手の内を柔らかく
やや下に通わせ、
第二関節を軽く曲げ左腰に付ける。
 
右手は指を開けば中指が耳たぶにさわる位置で小指、
薬指、中指の順に握り、
左手は親指先が下に向くように握り、刃は上に、柄は自然に胸にそう。
 
「清眞は八千代に清き五十鈴川 心おのずと澄み渡るなり」
石突の構
石突の構『石突の構』は腕巻より一文字に取り、
切っ先を右後に廻し石突が左身の中心に位置する。
石突が切っ先に代わる構。この構は左右がある。
 
「石突の構になるも石突と 思わぬ心かなめなりけり」
八相の構
八相の構『八相の構』は腕巻より一文字に取り、左手は左腰に、
右手は右耳の高さに薙刀を持ち、柄は軽く胸に添え自然に開き構える。
この構えは石突で防備。左と右の構がある。
 
「八相は捨て身に武く構ふとも おのずと構ふ守り忘るな」
無変の構
無変の構『無変の構』は俗に上限の構である。
腕巻より左手を右手まで通わせ、右手を石突の方に通わせ、
切っ先にかわり石突で身を守りながら大上段に大らかに構える。
左と右の構がある。
 
「無変とは朝日に匂ふ山桜 さそうあらしを待つ身なりけり」
打掛の構
『打掛』は八相より、技の誘いや攻めの構えになる動きである。
左と右の構がある。
「打ちかけて行くや真帆は伊勢の海 なぎさに残る白波のあと」
 
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